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給与が一部未払の場合

給与等の支払者は、給与の支払の際に所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」といいます)の額を計算し、支払金額からその所得税等の額を差し引いて国に納付します。これを源泉徴収制度といい、源泉徴収された所得税等の額は、一定の所得を除き、最終的にはその年の年末調整や確定申告によって精算されます。

1.源泉徴収をする時期

所得税等の源泉徴収をする時期は、現実に源泉徴収の対象となる所得を支払うときとなります。したがって、給与の支払が確定していても、現実に支払わなければ原則として源泉徴収をする必要はありません。つまり、給与の一部が未払いとなっている場合には、実際に支払う給与等の金額に対応する部分の所得税等については源泉徴収し納付する必要がありますが、未払いの部分については不要です。ただし、役員に対する賞与は、支払の確定した日から1年を経過した日において支払があったものとみなして源泉徴収を行い、納付しなければなりません。

2.一部未払の場合の源泉徴収の計算方法

給与が一部未払の場合の源泉徴収の金額を具体的な金額を用いて確認します。

①その月に支払うべき給与等の金額を「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめて所得税等の額を求めます。例えば、給与の総支給額が30万円(うち10万円が未払とします)、その月の社会保険料等控除等の給与等の金額が25万円、源泉徴収税額を3,300円と仮定します。

②求めた所得税等の額に、支払うべき給与等の金額を分母、実際に支払った給与等の金額を分子とした割合を掛けます。

(支給分) 3,300円×200,000円÷300,000円=2,200円
(未払分) 3,300円×100,000円÷300,000円=1,100円

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